| さらに、ビル先生には、アメリカの専門学校に入学するに当たって、一番肝心なところで助けていただいている。入学願書を書くときに、最初から最後まで、ビル先生に面倒を見てもらった。僕が苦心して書いた、英文の入学志望理由のエッセイの原稿を、ビル先生は見事に真っ赤にしてくれた。でも、普通の英会話学校で、そこまでしてくれる先生がいるだろうか? |
| 彼がいなければ、今の僕はない。 |
| それに、ビル先生は日本人以上に、日本のことを知っているように思う。なぜなら、ビル先生の日本語の敬語は完璧で、そこらにいる日本人よりも、美しい日本語を話されるのである。僕は、恥ずかしくなった。日本人である僕らが、外国の人よりも、下種な言葉を使って話している。それに、目上の人にきちんとした敬語すら使えないでいる。そういうことをわからせてくれたのも、他でもない、ビル先生だった。 |
| 僕の頭の中は、彼ら二人のおかげで、黒船以降、明治時代ぐらいには進めたかもしれない。 |
| 僕は最近、こんな風に考えている。神道には、八咫鏡(ヤタノカガミ)
草薙の剣(クサナギノツルギ)八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)というものがある。それぞれを、僕はこの二人から拝領したような気がするのだ。 |
| 升雲先生は、草薙の剣を。自分の描いた夢やアイデンティティを常に意識し、海外でも最後までベストを尽くして、自分の道を切り開けと教えて下さいました。彼に与えてもらった自信、それは僕にとっては草薙の剣のようなものです。 |
| ビル先生には、八咫鏡を。外国の人を見て自分はどうなのか、ビル先生は僕にとってはまさしく鏡のような存在でした。日本人として、自分の恥ずかしいところを、わからせてくれたのは、ビル先生です。自分のことを冷静に見つめる目、それは僕にとっての八咫鏡です。
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